新製品紹介
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日立金属技報 Vol. 30(2014)
連続加硫押出し技術を用いた現像系ローラー
Rubber Roller Using Continuous Vulcanizing Technology
Rollers for photocopy machine
2 電子写真のプロセス
Fig. 2 Electrophotographic process
1 現像系ローラー外観
Fig. 1 Rollers for photocopy machine
3 連続加硫設備
Fig. 3 Continuous vulcanizing equipment
 デジタルコピー機の高解像度化や
新興国への市場拡大に対応するため
に連続加硫押出し技術を用いて,抵
抗安定性,低コストの現像系ロー
ラーを開発した。図1に各ローラー
の外観を,表1に仕様を示す。
 デジタルコピー機は,静電気を利
用した電子写真方式が主流であり
図2に示す帯電,露光,現像,転写,
定着,クリーニングの 6 つのプロセ
スを通して画像をコピーする。各プ
ロセス��も多くの方式が存在してい
るが,帯電,転写プロセスでは,オ
ゾン発生という環境問題を背景に ,
非接触のコロナ放電式からローラー
を接触配置させた接触ローラー方式
に移行してきている。
 現像系ローラーは金属からなる
「芯金」,中抵抗lo 5∼9程
ゴムからなる「導電層」から構成され
る。従来のプレスや加硫缶を用いる
バッチ方式で加硫してローラーを製
造すると,端部と中央部で圧力や熱
伝導に差が生じるため電気抵抗値や
加硫度にバラツキが生じるなど課題
が多い。そこでバッチ方式から連続
加硫押出し方式図3へと製造方
法を変更することで,プレス成型で
生じるバリ部分の抵抗ムラをなく
し,軸方向の抵抗や加硫度のバラツ
キを改善した。また缶加硫における
ゴムチューブの両端カットのロスや
バッチ作業をなくしたことで,材料
費および人件費を削減できた。
 材料には,環境変動の小さい電子
伝導材料と,電圧依存性が少なく均
一な抵抗が得られるイオン導電性材
料をブレンドしたハイブリッド型材
料を用いた。また,連続加硫押出し
方式に合わせて,加硫と搬送速度の
バランスをとった。さらに感光体や
媒体への汚染抑制とニップ量(接触
幅)が安定して形成するための低硬
度調整など,配合を最適化すること
で,一般的な現像系ローラーに比べ
コスト削減と 1/2 以下の抵抗ムラを
実現した。
(電線材料カンパニー)
1 現像系ローラーの仕様
Table 1 Specifications of rollers for photocopy machine
Outer diameter φmm
Specifications
Impedance logΩ)
Unevenness of impedance (logΩ)
Voltage dependence logΩ)
Surface roughness μm
Friction coefficient
Charging roller Transfer roller
Hardness (°
9∼14 1235
H
A6075 HC2560
5.0∼7.0 6.58.5
<0.2 <0.2
<0.02 <0.02
2.0∼10.0
0.3∼1.0 0.8∼1.5
Photoconductor
drum
Cleaning roller
Developing
roller
Charging roller
Transfer roller
Fixing roller
Pressure roller
50 mm
Extruder Vulcanization tunnels
Cooling
tank
Take-o
machine
Cutter